「自分の店を開業したい」「マンション管理を引き継ぐ予定がある」など、
消防設備に関することをざっくり把握または確認したい方にむけて、設備の点検に関する用語の基本をわかりやすくまとめました。

★「防火対象物」って何?

「火災が起きた時に被害が大きいので、防火のための管理が必要とされているもの」です。建築物はすべて該当(※)します。

(※)山林又は舟車、きよ若しくはふ頭に繋留された船舶 、建築物その他の工作物若しくはこれらに属するもの。/ 消防法第2条第2項 引用

家も商店もマンションも学校もビルも駅も防火対象物

防火のための管理=防火管理?

火災を予防するため・火災時の被害を最小限にするために、必要な管理・対策をすることです。
避難訓練をさせる、消防設備の点検を依頼する、
火災時の役割を決めておく、非常扉前の荷物放置を指導する、など……

②「防火管理者」って?

一定以上の規模の建築物の権利者には、防火管理者を選任して、防火管理者を選任したことを消防に届け出る義務があります。
防火管理者は、消防計画などを消防に提出し、防火管理上必要な業務を計画的におこなう責務があります。
防火管理者には建物の規模にそった資格(甲種または乙種)が必要ですが、主に講習で取得できます。

防火管理者についての詳細な内容↓
参考◆東京消防庁 防火管理にかかる消防計画について
https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/jissen/p05.html
カワゾエHP内ブログ/防火管理者?乙種?甲種?防災管理者との違いは?
https://www.zoezoe.jp/boukasetsubi-tenken/hourei/1208/

 ※「火元責任者」は、防火管理者の補助的役割をする者として消防署から設置するよう指導される役割で、法律上の具体的な取り決めはありません。

◆まとめ
・防火管理とは「火災予防と被害軽減のため、建物・設備の状態を管理したり準備すること」
・防火管理者とは「建築物の権利者が選任する。消防計画を作成し、防火管理上必要な業務を計画的におこなう責任者
・火元責任者は「防火管理者の補助的役割・法律上の規定はないが消防署が指示」

★「特定防火対象物」?防火対象物との違いは?

 ①不特定多数の人が出入りする防火対象物
  デパート、大きな店舗、大きな病院、ホテルなど
 ②避難に援護が必要な人が出入りする建物
  病院、老人ホーム、介護・デイサービス施設など社会福祉施設

 この2つの種類の建物は火災になった時の被害が「特に」懸念されるので、「特定防火対象物」とされ、消防設備等に関して、ほかの非特定防火対象物よりも厳しく基準が設けられています。

※②幼稚園が特定防火対象物に指定されているのに対して、小中高や大学は指定されていません。

カワゾエHP内 防火対象物一覧表・黄色部が特定防火対象物

★点検と報告の頻度は?/資格者の点検必須?

 「防火対象物のうち一般住宅を除く建物」に消防設備点検は義務付けられています。

消防設備は、建物の規模・用途によって、設置が必要とする設備(とその数)が定められています。建物の関係者(所有者・占有者等)は、設置された消防設備を「定期的に点検し、その結果を消防長または消防署長に報告」する義務があります。 (消防法第17条の3の3)

 ①点検の頻度は年2回

 一年のうちに機能点検を2回。そのうちの1回には総合点検を加えます。

 ②報告の頻度は?

 点検の報告書を消防署に提出する頻度が特定・非特定で違います。
 非特定防火対象物/3年に1回
 特定防火対象物/1年に1回

 ③点検を消防点検の資格者が行う必要がある建物は?

  • 延べ面積1,000㎡以上の特定防火対象物(劇場・飲食店・店舗・旅館・病院・地下街等)
  • 延べ面積1,000㎡以上の非特定防火対象物(学校、寺院、共同住宅、工場、事務所等)で消防長または消防署長が指定したもの
  • 避難階以外の階から避難階又は地上に直通する階段が2つ(屋外に設けられた避難上有効な構造を有する場合にあっては、1つ)以上設けられていないもの
一定以上の規模の建物は必ず有資格者が点検しています。

★設置要の設備は消火器1本。自分で点検することはできないの?

「資格者に依頼するべき」とされている建物以外であれば、関係者自身が消防設備の点検をすることは(法的には)可能 といえます。
ただし、点検が簡単な4種類以外の設備の点検をする場合、専門知識や専用の測定機器が必要となり、感電等の危険が。
そのため資格者に依頼することが望ましく行政・消防署等でも同様の理由で資格者による点検を推奨しています。

点検が簡単な4種…消火器・誘導灯・警報器具・ 特定小規模施設用自動火災報知機…これらに関しては、点検と報告書作成ができるアプリが行政から配信されています。(※)

(※届け出は管轄の消防署に直接提出または郵送で行う必要があります)

参考/総務省消防庁HP 防火対策の推進等-消防用設備等点検アプリ(試行版)
https://www.fdma.go.jp/mission/prevention/suisin/post23.html

アプリストア等からDLできます

消火器については、製造年から3年(加圧式消火器)又は5年(蓄圧式消火器)が過ぎている場合は、専門的な点検が必要に。
また、自身で点検した時に不良個所等があれば、こちらも有資格者に修理等を行ってもらう必要があります。

◆まとめ
・資格者に依頼することが義務である建物以外であれば可、点検の簡単な消火器・誘導灯・警報器具・特定小規模施設用自動火災報知器の4種には、点検・書類作成を補助するアプリも。
・それ以外は法律上可能だが実際には難しいため、資格者への依頼が推奨されている。
・一定期間の過ぎた消火器・点検で修理が必要な個所が見つかった場合も資格者に修理依頼等が必要

★防火設備点検は、消防設備点検とは違う?

 別の点検のことです。

消火器・感知器・発信機等の「設置基準・維持管理の基準」は消防法に基づいており、これに関する点検をするのが「消防設備点検」です。

防火・防炎シャッター・防火扉などの”防火設備”の「設置基準・維持管理の基準」は建築基準法に基づいていて、これに関する点検をするのが「防火設備点検」です。

防火設備点検は「自火報と連動して防火設備(防火シャッター・防火扉)などが正常に動作するか」を確認します

閉じない状態の防火扉。消防法ではなく、建築基準法の基準にひっかかります。

◆まとめ
消防点検:「消防法の基準の範囲の消防設備(感知器・発信機・消火器等)等の点検」
防火設備点検:「建築基準法の範囲の防火設備(防火シャッター・防火扉等の点検」


◆◆◆

消防点検に関する基本的な用語について確認しました。

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