天井から板が生えてくる…


天井から下がる垂れ壁

これは排煙設備のひとつ、「防炎垂れ壁(ぼうえんたれかべ」です。
一見、何に使うんだろう? 🤔という印象の設備ですが…

火災の煙は想像以上に怖いものです。
広がるスピードが速く、光を遮り、視界をふさいで避難を難しくさせます。

高熱のため吸い込むだけで気道をやけどすることも。有毒ガスや一酸化炭素・酸素欠乏空気を含み、意識障害などさまざまな症状を引き起こさせます。

住宅火災での死亡者のうち4割の方の死因が一酸化炭素中毒です。

※参考リンク/当ブログ内防火戸についての記事

煙が広がらないうちに逃げる、ということは命を守るうえでとても大切なことだというのが、これまでの火災事例の教訓です。

煙に対応する設備も多くあり…

煙に対応する設備といえば…


防火戸は、煙が隣の区画にうつるのをふせぎ、逃げる時間を稼ぐためのものですが…「排煙設備」は、煙を外に出して、同じように逃げる時間を稼ぎます。

防煙壁で隣の区画の天井をつたうのをせきとめ、排煙口(又はダクト+排煙機など)で煙を逃がします

煙の上昇力を利用して自然に排煙する設備の場合、この図のように排煙口を設けて、煙を外へ出すしくみのものを、「自然排煙方式」と呼びます。

また、ダクトの先に排煙機を設け、感知器と連動させて強制的に排煙する「機械排煙方式」もあります。

こうして煙の膨張を出来るだけおさえ、時間をかせぐことで、避難や消火活動がしやすくなるのです。

垂れ壁の操作と、種類

普段から設置されているタイプ(見渡せるようにガラス張りが多い)と、
普段は天井に格納されていて、必要な時に降りてくるタイプのものがあります。

後者には、操作するための「手動操作箱 」というスイッチがあり…

・火災に気づいた人がこの手動操作箱のボタンを押す
・ 煙感知器と連動


このどちらかで、垂れ壁は格納場所から降下します。

降下後は手動で戻す必要があります。手動操作箱(函)は垂れ壁近くの壁面に設置されていて、以下のように扱います。(メーカーやタイプによって違う場合があります)

縦長い部分をひきだして…
中から出てくるワイヤーつきの引手

この黒い紐のついた引き手を何回も引くことで巻き上げることができます。

収納するときの操作↓

完全に巻き上がったら、引手を戻して完了です。

また、降りてくるタイプのものは、部品劣化などで不具合が生じることがあるため、そのときは修理等メンテナンスを行います。

メンテナンス中…

冒頭のアニメーションのよう、にまっすぐ降りるタイプのもの(防煙スクリーン)もありますが、蓋のように開くものもあります。(防煙パネル

設置された機器があるため降りてこれない防煙パネル

垂れ壁(パネル)が開くことを想定せずに壁際に機器を設置した結果、垂れ壁が機能しなくなることもあります。天井近くに機器を設置する場合はお気を付けください。

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