「地下駐車場」、自走式?機械式?
今年4月に起きた、都内の二酸化炭素消火設備の事故。
発生直後の報道では「マンション地下の駐車場で発生した」といった情報が流れました。
事故の起きた場所は、確かに地下にある駐車場でしたが…
エレベーターに乗せた無人状態の車を自動で地下の駐車場に移動させ、住人自身は地下空間に入らない形の、「機械式駐車場」でした。
地下駐車場(機械式駐車場)、ということになります。
“地下駐車場”という単語だけを聞いた場合、一般的なショッピングモール等の地下などにある、「運転手が座席に座ったまま乗り入れる駐車場」をイメージする方が多いのではないでしょうか。
それは“自走式駐車場”といい、機械式駐車場とは区別されます。駐車スペースまで人が運ぶのか、機械が運ぶのかの違いです。
自走式の駐車場には、二酸化炭素ガス設備は設置されません。そのかわり、泡消火設備が設置されていることがほとんどになります。
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泡消火設備って?
見ると早いのでこちらから…
株式会社マルショウシステム様の放出試験の動画です。
泡が流れるように天井から落ちてきますね。
泡消火設備は、スプリンクラーと同じように、天井に配管されたヘッドを使い、溶液を放出します。
動画の設備は帯のように流れていますが、それこそスプリンクラーのように、傘状に広がって放射するものもあります。
気になる人体への影響は?
一部の溶液に、PFOS(ピーフォス)と呼ばれる物質が含まれているものについては問題があるとされています。人体への蓄積によって健康への影響が疑われるため、「非含有」のものへの切り替えの呼びかけがおこなわれています。
※平成22年9月までに製造されたものに含まれている可能性
※環境中での分解がされず、環境への残留・生物への蓄積などに問題がある
※2022年度末までには、すべて廃棄させる予定となっています。
泡消火設備の能力とデメリット
泡は、燃焼面と酸素を分断して“窒息”させるはたらきがあります。消火能力はとても高いものです。上記物質の含まれる一部の溶液をのぞけば、危険性も二酸化炭素設備ほど高くはありません。
主なデメリットは以下のようなもので…
・電気絶縁性なし
・機材の内部に付着した場合も含め、泡噴出後の処理が非常に大変
・安全対策を必要とする(高発泡の場合)
といったものになります。
とはいえ、適切に設置されていれば安全性が高く、消火性能も高く、界面活性剤系の消火剤であれば、保存における安定性にも優れています。
泡消火設備の誤作動で多いのが、入庫する車のミラーや後部が「手動起動装置」に接触して起動してしまうというケースですが、
「閉鎖式水溶性泡消火ヘッド」を活用することで、手動起動装置の設置を不要にして誤作動を減らしている設計の設備もあります。
能美/https://www.nohmi.co.jp/product/renewal_fef/004.html
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このように、同じ駐車場に設置される消火設備でも、種類や特性がいろいろと違い、用途によって適切な消防設備が設置されるように規定されています。安全のためにも、普段利用している駐車場の消火設備について確認をしておきましょう。
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